近年、市販のドローンを購入するのではなくいちから自作して飛ばす愛好家の方も増えてきています。アマゾンなどで売られているすべてのパーツが揃ったキットを購入して自作する人もいますが、ワンランク上の本格的なものを作りたいという方に人気なのが、「Arduino」というマイコンです。
Arduinoはその本格的な性能と裏腹に「扱いやすい」ということで世界中で人気の電子工作用の部品となっています。この記事ではArduinoについて詳しく解説し、実際にArduinoを使ってドローンを作る方法を紹介していきます。
この記事でわかること [非表示]
1. ドローンの自作が簡単になるArduinoとは?
・Arduinoとは?
Arduinoは「アルデュイーノ」と読みます。Arduinoは電子工作をするためのマイコンで、似たようなものに「Raspberry Pi」があります。
簡単にパソコンに接続できて、価格が安くて、電子部品等を制御するプログラミングも手軽に行うことができるので、電子工作を始めたばかりの方にも人気です。
Arduino は2005年にイタリアでプロジェクトが始まり、安価に提供することを目的に作られました。最近話題のIoT機器の入門用として、Raspberry Piと並んで人気です。
本体だけのものや、必要なパーツがセットになったもの、ロボットや車などを作るための部品や作り方をセットにしたキットも販売されています。関連書籍もたくさんあり、ネット上に書き込みも多いので、情報を集めるのが容易です。
さまざまな種類があるArduinoですが、本体は2,000円から5,000円くらいで購入することができ、アマゾンでも販売されています。
・使い方
本体に、LEDやいろいろなセンサーを取り付け、本体とパソコンをUSBで接続し、LEDや機器、センサーをパソコンで記述したプログラミングで制御します。
・Arduinoでできること
Arduinoでできることは無限大と言っていいほどたくさんあります。たとえば、床の傾きを算出したり、カメラで写真を撮るときに角度を確認したりする「水平器」をArduinoで作ることができるのです。Arduinoに加速度センサーをつけて、傾きを算出することで意外に簡単に作ることができます。
フォトリフレクタというパーツを利用すれば、脈拍を測ったり、物体との距離を測ったりすることも可能です。距離を測るセンサーを取り付けることで、近づいたらスイッチを入れるなどの動作をさせることもできます。
ドローンにArduinoを使うことで、様々なセンサーや機器を取り付けることができ、自分好みのドローンを自作することができます。
2. ドローンの自作にArduinoを使うメリット
いろいろなことができる電子工作のパーツとして人気のArduinoですが、実はArduinoを使ってドローンを作ることができます。
ではArduinoを使ってドローンを自作するメリットとは、どんなものがあるのでしょうか?
・情報が豊富
Raspberry PiやArduinoは人気のマイコンで、自作をして電子工作を楽しんでいる人も多いです。そのため、Arduinoについて解説した本がたくさんあったり、ネット上に自分が工作した情報を書き込んでいる人が多いため、情報の取得が容易です。困ったときに情報が手に入りやすいのは、ありがたいですよね。
実際にArduinoを使ってドローンを自作している人たちは数多く、ネット上にはさまざまな情報が公開されています。わからないことがあれば、そういったサイトで情報を集めたり、サイトの管理者に質問してみても良いでしょう。
・ドローンの仕組みを理解できる
ドローンを自作することで、ドローンの構造を理解できますが、Arduinoを使うことで、さらにプロペラの制御技術などの仕組みを理解できるようになります。
・修理する技術が身につく
最初からすべて作れば作業工程が頭に入ります。そのため、完成品のドローンを購入して、不具合があった場合にも、どこがおかしいのかある程度推測できるようになります。
・飛行性能など、自分の好きな部分に特化できる
ドローンというと、カメラがついていたり、物を運ぶことができたりというイメージがありますが、純粋に飛行させることが好きな人もいます。
しかし、現在発売しているドローンは、そういった飛ぶ性能以外のことばかり重視していて、「もっと自分が満足するような飛行性能に特化したドローンが欲しい!」という方もいるでしょう。
Arduinoを使えば、独自のコントロールシステムを作ることも可能です。
例えば自作者の中には、任天堂wiiの「wiiリモコン」に使用されているジャイロセンサー、加速度センサーを使って機体の動きや角度を制御している方もいます。
より自由な発想でドローンを楽しみたい、一歩進んだ楽しみ方をしたいという方にとって、Arduinoはベストな選択肢です。
・拡張性がある
自分で自由な機体を作ることができるのですが、さらに、必要な機能を後からつけることも可能です。完成品を購入すれば「飛ばして終わり」ですが、自分で作れば「飛ばしてからが始まり」になり、自分の必要な機能だけを増やしていくことができます。
・ドローン開発者になれる
既存のパーツを組み合わせて商品として販売しているところはいくらでもあります。
Arduinoを使って、自分で考えたドローンを自作し、それがみんなが欲しがるようなものであれば、ドローン開発者としてデビューすることもできます。またネットオークションや販売ページなどを作って、お小遣い稼ぎをするのも良いですね。
組み立てて販売するのが大変であれば、キットとしてパーツをセットにして販売するのも良いですね。
3. Arduinoを利用してドローンを自作する方法
では簡単に、Arduinoを使ってドローンを自作する方法・手順について紹介していきます。
1.必要なパーツを揃える
最初に必要なパーツを揃えていきます。
・Arduino(フライトコントローラー)
・フレーム
・受信機器
・送信機器
・プロペラ
・モーター
・ESC(電子式スピードコントローラー)
・バッテリー
・充電器
・コネクタ
・工具
フレーム、プロペラ、モーター、ESCはキットになったものが売られています。それぞれ別々で買うのも良いですが、キットで購入すれば組み立てが楽でおすすめです。
プロポは購入しても良いですが、パソコンやスマホでも代用できます。ゲームコントローラーで代用している人も多いですね。
2.組み立て
フレームにパーツを取り付けて、ドローン本体を組立てていきます。モーターは回転方向に注意して取り付けます。フレーム付きのキットの場合は、ほとんどの作業がネジ止めだけで終了します。
3.配線
モーター、受信機、バッテリー、Arduino、ESCの配線をハンダでつなげていきます。つなぐ前にケーブルの取り回しを考えておくと、配線周りがすっきりします。配線ができたら収縮するチューブをかぶせて、熱を加えて固定すると、ケーブルがバラけないのでおすすめです。
4.制御プログラム
ドローンの動作を制御するプログラムを作っていきます。ドローンの飛行時の姿勢を制御するため、細かい調整が必要になってきます。
機体が暴れたときに怪我をしたり、壊れたりしないように、プロペラには安全対策をしておいた方が良いでしょう。
4. まとめ
Arduinoを使ってドローンを自作することで、ドローンの楽しみ方がさらに広がっていきます。Arduinoを使いこなすことができれば、ドローンだけでなくさまざまな電子工作に応用することもでき、楽しみ方がさらに増えますね。また自作でドローンが作れるようになれば、ドローン用のキットを販売することも可能です。
自分でArduinoを使ってドローンを作って飛ばすことで、ワンランク上のドローン愛好家を目指してみてはいかがでしょうか。かがでしょうか。
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