ドローンを自作して飛ばすことは、やはり何物にも代えがたい楽しさをもたらしてくれます。しかし自作してもうまく飛んでくれなかったり、性能が低かったりするとせっかくの楽しい気分も台無しですね。
ドローンの飛行性能に直接関係する部分でもあるモーター選びは、ドローンを自作する際のパーツ選びの肝と言っても過言ではありません。正しいモーター選びで、市販品と変わらない性能のドローンを作りましょう。
この記事でわかること
ドローン自作①モーターの種類の違い
まずドローンを自作するにあたって、モーターの種類は重要になります。モーターの種類としては主に、「ブラシモーター」と「ブラシレスモーター」の2種類があります。
ブラシモーター
モーターの中にブラシが搭載されています。現在はブラシレスモーターのほうが主流です。
ブラシレスモーター
現在、こちらが主流で使われています。ブラシレスモーターは、モーターの回転速度を調節する「ESC(Electronic Speed Controller)」という制御装置とつながっています。そのためモーターの回転を上げ下げすることで、スピードや高度を調節することが可能になるのです。
ドローンは飛行するためにプロペラを回転させますが、移動時には各プロペラの回転数を上げ下げすることで、前後左右に移動することができます。つまりドローンには、プロペラの数だけモーターが付いているのです。
ドローン自作②モーターを制御するESC
ESCとは、モーターを制御する役割を持ちます。
ブラシ付きDCモーターに直接バッテリを接続すると、回転を始める仕組みです。当然このままではモーターの回転速度を変化させることはできないため、ESCはバッテリとモーターの間に取り付けます。モータにかかる電圧をESCによって制御することで、回転速度を変化させるのです。
「ESCを換えたことで、モーターの回転数が変わった!」と思っている人はたくさんいるのではないでしょうか。実はモーターは、電圧が高いほど回転数が上がるのです。
つまり、ESCによってモーターに加わる電圧が変わるということになっています。また、ESCのON抵抗値にも注意を払いましょう。ON抵抗値が低くなると、ESC内での電圧降下も小さくなり、電圧が高い状態を維持し続けることができるのです。
ドローン自作③モーターのスペックの見方
ここでは、モーターのスペックの見方についてご紹介します。
まず電圧とは、電池などの電源が持つ電気を流そうとする力のことを指します。単位はVであり、電池に表示してあります。
「使用電圧範囲」とは、このモーターを使うことができる電圧の範囲を指します。この範囲より高い電圧で使うと過度に発熱したり、寿命が短くなったりすることもあるため注意が必要です。またあまりにも低すぎる電圧では、性能を十分に発揮することができません。
「適正電圧」とは、このモーターの性能を発揮するのに最も適した電圧のことを指します。
そしてモーターの軸を回す力、または軸の回転を止めようとする力のことは負荷(トルク)と呼ばれます。こちらの単位は「ミリニュートン・メートル」「グラムフォース・センチメートル」で示されます。 負荷が大きくなっていくごとにモーターの回転は遅くなっていき、やがてモーターは止まってしまうことになります。この状態は、発熱や焼損が起こるとても危険な状態なので絶対に気をつけましょう。「適正負荷」とは、モーターを最も効率よく使うためにふさわしい荷重のことです。
また回転数とは、モーターのシャフト(軸)が回る回数を表している数値です。単位は「アールパーミニット」で示されます。
「無負荷回転数」とは、モーターに負荷がかかっていない時の回転数のことを指します。
r/minという単位は、1分間あたりの回転数を表しているので、例えばFA-130RAなら無負荷時で1秒間に143回以上回るということです。
「適正電圧」」「適正負荷時の回転数」とは、モーターに最も適した電圧・負荷で使用した時、1分間あたりにどのくらいモーターが回転するかを示します
また最後に「電流」とは、電気の流れる量です。「適正電圧」「適正負荷時の消費電流」とはモーターに最も適した電圧・負荷で使用した時、モーターにどのくらいの電流が流れるのかを指します。
単位は「アンペア」「ミリアンペア」です。
ドローン自作④モーターとプロペラサイズの関係
モーターは、プロペラが大きいほど浮力が強いというのが一般的です。また大型のドローンは、長距離飛行や高高度飛行も可能になります。
当然大きい分だけ浮力も強いので、大型のカメラを搭載することができ、空撮の画質もきれいに写ります。
最近は小型化されており、プロペラが小さなドローンもどんどん高度になってきてはいますが、やはりプロペラが小さなドローンは、カメラも小さなものしか搭載することができないのが事実です。そのため、それほどきれいな画質にならないのが難点ですね。
ドローンのプロペラは大型のものの方が良いですが、大型のものはそのぶん騒音なども大きくなります。使用用途に応じてサイズは検討してみてください。
ドローン自作⑤必要なモーターの数と購入価格
ドローンのモーターは、調達する方法によって価格が変わってきます。調達方法を工夫すれば、高性能なモーターを低価格で調達することも可能になります。
基本的に、量販店や専門店等の実店舗では定価に近い価格で販売されています。これはドローンのフレームに限らず、何にでも言えることではありますが、どうしても割引にはなりません。
その点通販サイトでは、実店舗がなく必要経費が少ないため、 安くパーツを購入することができるのが長所といえるでしょう。
さらに海外通販の場合には、中国などの人件費の安い地域にて、工場で大量生産されている場合がほとんどです。そのためさらに安価での購入が期待できます。
さらにネットオークションで購入することも出来ますが、この場合にはどうしても、ある程度慣れてからのほうがおすすめです。
人気の品はどんどん入札されてしまい、価格が上がっていきます。そのため安く購入するつもりでも、「気が付いたらお店で購入するのとあまり変わらなかった!」なんてこともあるのです。
しかしネットオークションといえば、掘り出し物を安く手に入れるチャンス。実店舗とネットショップをチェックしながら、並行して見ておくとよいですね。
ただドローン自作初心者の場合、いきなりオークションですべてのパーツを揃える…というのは、アフターケアなどの問題からしてもあまりおすすめできません。またオークションで気を付ける点としては、落札代金の他に、送料・振込手数料・オークション利用料など全部含めて、ある程度までの予算を決めておくことが大切です。
ドローン自作⑥モーターの購入方法
ドローンのパーツを購入するには、マルチコプターやラジコン商品を取り扱うお店で購入するのが主流です。専門的なお店ならば、さまざまな種類のモーターが用意されているでしょう。
最近は専門店がネット上にお店を出していることも多いので、実店舗でもネット通販でも、どちらで購入しても良いでしょう。またネット通販で購入する場合、難易度は上がりますが海外の店舗から購入することもできます。
そのほかの方法としては、ネットオークションにより個人間でやりとりする場合もあります。
まとめ
以上が、ドローンを自作するにあたっての、モーターのご紹介でした。
モーターにもいろんな種類があり、いざ自作しようと思ってもどこに手を付けてよいのかわからないという場合もありますよね。購入方法や種類もまちまちなので、自分にあったモーターをよく吟味して選ぶことが最も重要なポイントになります。
ドローンを自作するとなると結構な労力を使いますし、手間もかかります。しかしそのぶん達成感もありますし、自分で作ったドローンには愛着も湧きますよ。
まだ自作したことがないという方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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